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「用心棒」 [★★★★]

用心棒 1961日
 監督・脚本:黒澤明。出演:三船敏郎、仲代達矢、東野英治郎、司葉子、山田五十鈴、渡辺篤.etc。
 やっと観ましたが評判通りいい作品でした。
 とある町にふらりとやって来た一人の浪人が、やくざ同士の抗争で荒れた町を救うため悪の壊滅を目論むというストーリー。主人公に協力する酒屋の主人や棺桶屋、母親を手込めにされる家族、主人公の凄惨なリンチシーンに至るまで、「荒野の用心棒」はこれと全く同じ設定で驚きましたが、脚本の上手さに改めて感心。この作品によって”マカロニウエスタン”という新たなジャンルが生まれたと思うと感慨深いものがありました。
 しっかりした脚本と演出があれば、全く同じストーリーでもそれぞれが傑作となり得る典型的な例のように思う。しかも、”刀”と”銃”の唯一の大きな違いが作品を別々に楽しめる要因になっているのだと感じました。あとどちらの作品も主人公のスター性と悪役のインパクトが最高なので言うことなしでしょう。
 さて「用心棒」ですが、登場人物たちの風貌を含む映像全体の、毒気のある薄汚れた雰囲気が気に入りました。そして主演の三船敏郎がとにかく格好良い。一見非情そうでいて実は人情味のあるところ、鮮やかな立ち回り、動作ひとつひとつ、表情ひとつひとつに思わず引き込まれました。映像に融合した音楽、酒屋の主人とのユーモラスなやりとりなど、娯楽作品としての要素が揃っているし、モノクロの映像で映し出す残酷な描写も味わいがある。映像界に名を残した多くの俳優たちの若い頃の姿も興味深く楽しみました。


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「荒野の用心棒」 [★★★★]

荒野の用心棒 完全版 スペシャル・エディション A Fistful Of Dollars 1964伊
 監督・脚本:セルジオ・レオーネ。原作:黒澤明。音楽:エンニオ・モリコーネ。出演:クリントイーストウッド、ジャン・マリア・ヴォロンテ。
 黒澤明の「用心棒」を西部劇に置き換えた、あまりに有名なマカロニウェスタンですが、何度見ても新鮮。心が躍ります。さんざん迷った挙句、購入に踏み切った完全版DVD。暴力シーンが多くなってダーティな味わいが深まり、全編に漂う男臭さがたまりません。若い頃のイーストウッドは、脂ぎったところが以前はあまり好きではなかったのだけど、今観ると、アウトロー的な人物にとてもマッチしていて、男の色気が漂い最高に格好良いと思う。私も大人になったのかな(^^;。
 今回、山田康雄の吹替えで鑑賞。テレビで見た(聴いた)ことがあるかも・・・と感慨が込み上げる。特典の、セルジオ・レオーネ監督談も見応えあるし、主人公の行動を正当化すべくTVオンエア用に加えられたプロローグも興味深かった。ここには駆け出しの頃のハリー・ディーン・スタントンが出演。強引だけど苦労を感じる演出が涙ぐましいです。
 あっという間の100分。レオーネ監督の映像と、エンニオ・モリコーネの音楽が見事に調和していて、ドラマチックで味わい深い。改めて凄い作品だと思いました。


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「夜の大捜査線」 [★★★★]

夜の大捜査線 1967 米
 監督:ノーマン・ジュイソン。原作:ジョン・ボール。
 とても雰囲気のいい映画でした。40年前の作品なのに古臭さも全く感じません。アカデミー賞では作品賞など全5部門を受賞しています。
 ストーリーは、アメリカ南部で起きた殺人事件を追って、都会の黒人エリート刑事と、地元の白人警察署長が反目しながら捜査を繰り広げるといったもの。
 事件解決よりも、そこに展開する人間ドラマがとても見応えある作品でした。人種差別や田舎町の閉塞感を織り交ぜながら、中心となる二人はもちろん、容疑者やその他の警官たちまで、それぞれの人物像が丁寧に描かれていて感心させられました。
 黒人刑事を演じたのがシドニーポワチエ、白人警官がロッド・スタイガー。微妙に変化していく二人の心理がとても興味深く、人種や立場を超えて生まれる男同士の絆が、とにかく渋くて格好よかった。ポワチエの差別に晒されながらも毅然とした敏腕刑事ぶりも良かったけど、ロッド・スタイガーの、無骨で不器用だが人間味のある警察署長の放つ魅力は格別でした。(アカデミー主演男優賞受賞も納得です。)


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「白バラの祈り  ゾフィー・ショル、最期の日々」 [★★★★]

白バラの祈り -ゾフィー・ショル、最期の日々- 2005 独
 白バラとは、「打倒ヒトラー」を訴え、1942年の6月頃から翌年2月まで町中の壁にスローガンを書いたり、6回にわたりビラを配布した地下組織的グループの呼称。主要メンバーはミュンヘン大学で医学や哲学を学ぶ学生5人に同大学の教授をあわせた6人で、43年に全員が死刑に処された。(オフィシャルサイトより)
 映画では、白バラのメンバーである21歳の女学生ゾフィー・ショルが逮捕されてから処刑されるまでの5日間を描いている。逮捕直後、恐怖を押し殺し毅然とした態度で無実を主張するゾフィーと、ゲシュタポの尋問官とのやり取りが緊張感に溢れていて凄い。やがて彼女たちの行なっていたレジスタンス活動の証拠が発見されてからは、堂々とナチス批判を口にし、死を覚悟で信念を貫き通す。この彼女の勇気と気高さに、大きな衝撃を受けました。ナチスへの恐怖を新たにさせられる裁判のシーンも壮絶でした。普通なら青春を謳歌している年頃の若者たちが、人間の尊厳の為に命懸けで闘った、その人生の激しさと悲惨さに、ただただ圧倒されました。
 「ヒトラー ~最期の12日間」では、ヒトラーの元秘書が白バラの活動を後で知り、真実を知ろうとしなかった罪を告白します。その時の彼女の想いが私の中にふと広がりました。ゾフィーの短い生涯を思うと辛く悲しい映画ではありますが、彼女の平和への祈りに心癒され、彼女の勇気に大きな希望を与えられた気がします。


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「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」 [★★★★]

メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 スペシャル・エディション 2005 米仏 DVD
 アメリカ・テキサス州。メキシコとの国境地帯。不法入国のメキシコ人カウボーイ、メルキアデス・エストラーダは、国境警備隊員の若者マイク(バリー・ペッパー)によって射殺されてしまう。メルキアデスと年齢を超えた友情を築いていたピート(トミー・リー・ジョーンズ)は、マイクを拉致誘拐し、メルキアデスの死体と共に、彼との約束―死んだら故郷ヒメネスに埋める―を果たすためメキシコへの旅に出る。T・L・ジョーンズの長編映画初監督作品、昨年度のカンヌ映画祭で主演男優賞(T・L・ジョーンズ)と脚本賞(ギジェルモ・アリアガ)を受賞しています。
 人の命がますます軽んじられていると感じる昨今において、改めて命の尊さを考えさせられました。たとえ過失であっても罪は償わなくてはならない。マイクは極悪人ではないが思いやりに欠ける低俗な男である。しかし彼が一番罪深いのは、自分が犯した罪の重さを自覚していないことだと思う。彼の態度はメルキアデスの命をとても軽いものにしている。
 一方、旅を通して時に滑稽に描かれるビートの深い友情や、喪失感漂う孤独な姿からは、失われたメルキアデスの命の重みがずしんと胸に迫ってくる。と同時に全ての人間の生が等しく尊いことを再認識させられる。旅で出会う不法出国を繰り返すメキシコ人や、盲目の老人のエピソードなども、生きることについて静かに訴えかけて来ます。
 さて、ビートと旅を共にすることで、マイクの心にも少しずつ変化が生じていきます。それが作品の唯一の救いでもあるが、B・ペッパーの演技がとにかく上手い! T・L・ジョーンズの重厚な演技と共に緊迫感に溢れていて見応えありました。過不足のない演出も文句なし。最初は時間軸がバラバラでやや戸惑ってしまったが、やがて2人(3人)の旅が始まると、寂寥感溢れる壮大な荒野の風景と抒情的な音楽の中に一気に引き込まれて行った。友情、贖罪、人間の尊厳、そして生きる意味、…それらのメッセージが静かな余韻となって心に沁み渡りました。今年私が観た中でベストに入る作品です。


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「ストレイト・ストーリー」 [★★★★]

ストレイト・ストーリー 1999 米
 最近、大好きな作品をひとつずつ見直している。このデヴィッド・リンチ監督作品も私のお気に入りです。
 73歳の老人ストレイト(リチャード・ファーンズワース)が10年絶縁していた兄に会うために一人で旅に出る。車で1日で行ける距離をオンボロトラクターで6週間もかけて。何故彼は敢えて困難なやり方を選ぶのか・・・理由は要らない。ただ彼がそう決意したからである。実話を元にして作られた話らしいが、彼の思いはすごく解る気がする。
 ひとつのことをやり遂げること、また大地や空や風を直に感じることで、彼は自分の人生と最期にきちんと向き合いたかったのだと思う。その名の通りストレイトの旅は、進む道も彼の想いも真っ直ぐで、その真っ直ぐさに、ただただ胸を打たれる。旅の過程で、自分の人生を許し、人生に許されていくような彼の穏やかな表情がとても印象的です。
 さりげない思いやりを見せる近所の老人や道中で出会った優しい老人たちの姿も心に沁みる。家出中の若い妊婦ツーリングの若者たち。鹿を轢いてヒステリックに叫ぶ奇妙な女性さえ、不思議と温かい気持ちで見つめることが出来る。彼らとストレイトの交流を見ていると、歳をとるって…人生って悪くない、しみじみとそう感じさせられます。
 また、家族の尊さ(ストレイトの娘役シシー・スペイセクの演技が素晴らしかった。また、再会した兄を演じたハリー・ディーン・スタントンは、短いシーンながら物凄い存在感です!)についても改めて気づかされる。頑固な父を静かに見守る娘、トラクターを見て弟の想いの全てを理解し受け止める兄。言葉は無くても、彼らの強い絆が伝わって来て涙が溢れました。
 ラスト、子供時代に帰って静かに星を見上げる二人の老兄弟の残像が、美しい星空と共にいつまでも心に残ります。
 静かに心に沁み渡る音楽。そして、老人の乗ったトラクターがとうもろこし畑を通る一本道を黙々と進む映像を見るだけで切なくなって泣けて来る。結果的に遺作になってしまったのは残念だけど、文字通り人生の集大成のようなファーンズワースの味のある演技は圧巻です。


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「夕陽のガンマン」 [★★★★]

夕陽のガンマン 1965 イタリアスペイン (DVD)
 監督・脚本:セルジオ・レオーネ。
 急に渋いウエスタンが観たくなって再見しましたが、やっぱり凄い!の一言。タイトルバックの荒野の風景に銃声、エンニオ・モリコーネの音楽が始まった途端、胸がざわめき立ちます。その後は迫力ある映像の連続に圧倒されっ放しでした。話は、一匹狼の賞金稼ぎのガンマンふたり(クリントイーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ)が、商売敵でありながら協力して凶悪犯グループに立ち向かうというもの。
 若いイーストウッドも格好良いが、リー・ヴァン・クリーフの存在感は格別です(イーストウッドよりも主役っぽい!)。独特の映像にドラマチックな音楽、または静寂。獲物を巡ってのイーストウッドとヴァンクリーフの駆け引きは緊迫感に溢れていてゾクゾクします。対する敵役(ジャン・マリア・ヴォロンテ)の描写も丁寧で、極悪人でありながらアップになった時の哀しげな瞳が印象的。
 静かに、しかし濃厚に、アウトローたちの生死を賭けた戦いを描き出しています。正義も愛も排除したストイックな男の世界のこの格好良さは癖になります。私のお気に入りの作品です(^^。


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「サマータイムマシン・ブルース」 [★★★★]

サマータイムマシン・ブルース スタンダード・エディション (初回生産限定価格) 2005 日 (DVD)
 監督:本広克行。出演:瑛太、上野樹里、与座嘉秋、川岡大次郎、ムロツヨシ、佐々木蔵之介。
 夏休み、とある大学のSF研究会の学生たちの前に、突如現れたタイムマシーン。うだるような暑さの中クーラーのリモコンが壊れたことから、部員たちは昨日に戻ってリモコンを持ち帰ることを思いつく。
 ”タイムマシン ムダ使い”という宣伝コピーが的を射ていて笑える。夢のタイムマシンをくだらない目的で使い、昨日と現在の間でドタバタする登場人物たちの姿が滑稽で楽しい。冒頭で映し出される若者たちの普通の一日がどこか変で、この伏線がその後の展開に上手く効いていて、なるほどーと感心されられた。どれも、どーでもいいような出来事ばかりだけど(笑)。ハリウッド映画”バックトゥザフューチャー”のパロディとして観ると更に可笑しいかも。
 タイムマシンから想像するスケールの大きさも、格好良さもスリルもサスペンスも無い。だけどこういうゆるゆるの能天気な映画は個人的に大好き♪。登場人物のキャラクターが皆微笑ましいし(特に瑛太はハマッてた)、タイムパラドックスの示し方もさほど無理がないので、無邪気に思い切り楽しめる映画でした。


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「シティ・オブ・ゴッド」 [★★★★]

 2002 ブラジル (DVD)
 先日観た「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督作品。
 ”ブラジル リオデジャネイロ 神の街 暴力も銃もドラッグもすぐそこにある日常を駆け抜ける少年たちの 事実にもとづく物語” 公開時のキャッチコピーだそうです。(映画データベースより)
 第一の感想は”え、これって実話?”でした。冒頭のシーンから、いきなり頭を殴られたような衝撃。リオのスラム街。貧困と無学から暴力とドラッグに染まっていく少年たち。まだ幼い子が銃を手にして街を駆け回る姿には震撼しました。ドキュメンタリータッチで、何人かの少年のエピソードがひとつひとつ繋ぎ合わされていく手法が生かされている。映像の持つパワーにただただ圧倒されます。
 私には、暴力を日常として生きる子供たちが皆泣いているように見えた。これは1960~80年代の話でしたが、現在もこんな惨い現実が世界に一杯あるのかと思うと、絶望的な気分になる。映画では、唯一希望の光を与えてくれるブスカペという少年の存在が救いでした。


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「メゾン・ド・ヒミコ」 [★★★★]

メゾン・ド・ヒミコ 特別版 (初回限定生産) 2005 日 (DVD)
 死期の迫った父の運営するゲイの老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコ”を手伝うことになった沙織。ゲイの父、その恋人、ホームに暮す老人たち…彼らの人生の一幕がしっとりと描き出される。
 同じく犬童一心監督&渡辺あや脚本の作品「ジョゼと虎と魚たち」も素晴らしい出来だったけど、この作品も人間の心のひだを細やかに映し出した傑作でした。
 台詞のひとつひとつが輝いていた。どこかファンタジックな雰囲気の中で発せられる言葉の数々は人間の本質を鋭く捉えていてリアリティがある。心に残るシーンも一杯詰まっていて、さりげない音楽の使い方も気に入りました。老いとは、孤独とは、情欲とはこういうものなんだと、改めて感じさせられた。そして、残酷で切ないが故の人生の美しさが胸に深く突き刺さりました。あるがままの自分の気持ちを受け止めること。苦しみや切なさを伴うとしても、それは人間として一番幸せなことじゃないかと思え、希望を与えられた気がします。きっと何度も見直したくなるような作品でした。
 老人達や近所の少年のエピソードラブホテルを利用したホームの内装も良かったし、何より配役が素晴らしい。独特の空気を醸しだす田中泯の存在感には圧倒され、柴咲コウもブスっとした表情の中に時折見せる生の輝きが印象的でした。ゲイの老人たちもそれぞれ個性的でいいし、西島秀俊も上手い!の一言。そして…、この作品のオダギリジョーには参りました。繊細な演技もさることながら、ドレスシャツにぴったりフィットしたボトムスタイルの佇まいと、憂いと情熱を秘めた表情は、本当に美しかった。
 


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