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2008年に観た映画 [2008劇場公開]

 昨年観た映画は、新作と旧作合わせて45本程度。ベストを選ぶ意味もないほど少なかったのですが(^^;、劇場で観た31本についてベスト10本を強引に選んでみました。(感想をupできなかった作品も多いのですが・・・)

【心に残った10本 順不同で】
「ペネロピ」
物語、映像、音楽、役者、・・・とにかく可愛い作品でした。昨年購入した唯一の新作DVDです。
「白い馬」「赤い風船」
とても味わい深く、映画を観る喜びを感じる作品でした。
「画家と庭師とカンパーニュ」
中年男二人の友情。作品の人生観が心にぐっと来ました。
「ぼくの大切なともだち
孤独な男の自分探し。コミカルでいて辛辣な描写も気に入りました。
「ノーカントリー」
コーエン兄弟のサスペンスはやっぱり一流だと感心しました。
「この自由な世界で」
社会の矛盾に鋭く切り込んだ内容に好感が持てました。
「ラスト、コーション 色・戒」
緊張感溢れる男女の繊細な心理劇に魅了されました。
「ダークナイト」
ドラマ性の濃いところ、斬新なヒーロー像が好感度大の作品でした。
「落下の王国」
圧倒的な映像美と幻想的なストーリーが気に入りました。
「レッドクリフ PartⅠ」
この手の歴史ものは大好きです。とにかく面白かった。PartⅡも楽しみです。

【上記以外の作品 こちらは印象に残った順に】
「潜水服は蝶の夢を見る」
「NEXT -ネクスト-」
「ドラゴン・キングダム」
「マルセイユの決着(おとしまえ)」
「クライマーズ・ハイ」
「おくりびと」
「ザ・マジックアワー」
「神様のパズル」
「あぁ、結婚生活」 
「アイアンマン」
「奇跡のシンフォニー」
「ぼくたちと駐在さんの701日戦争」
「私がクマにキレた理由(わけ)」
「K-20 怪人二十面相・伝」
「ウォンテッド」
デトロイト・メタル・シティ」
「陰日向に咲く」
「Mr.ビーン カンヌで大迷惑」
「幸せの2ページ」
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」
「パコと魔法の絵本」

 こうしてみると、昨年観た作品中ハズレはほとんどなかった気がします。ベストとなるとどうしても邦画より洋画を選んでしまいますが、邦画もいい作品に出会えたと思います。
 今年は更に大好きな作品が増えることを期待して、がんばって劇場に足を運びたいなぁと思っています。


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「あぁ、結婚生活」  [2008劇場公開]

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Married Life 2007米
☆☆☆☆
監督・脚本:アイラ・サックス
原作:ジョン・ビンガム
出演:クリス・クーパー、ピアース・ブロスナン、パトリシア・クラークソン、レイチェル・マクアダムス

 1940年代のアメリカ。会社を経営する中年男ハリーが、ある日親友のリチャードを呼び出し、ケイという愛人がいること、妻パットと別れたいが離婚を切り出せずにいることを告白する。しかし、ケイを紹介されたリチャードは、魅力的な彼女に密かに恋心を抱いてしまうのだった。ケイと幸せな余生を送りたい、でも自分なしで妻は生きていけない、と思いつめた挙句、ハリーは妻の毒殺を計画する。

 長年生活を共にする夫婦でも相手の本心はわからない。パットにも実は若い愛人がいて、夫婦は互いに相手が自分一筋だと思い込んでいるところが滑稽である。親友の愛人に惚れてしまい、こそこそと猛アタックするリチャードの策略家ぶりも・・・。

 レイチェル・マクアダムスは、艶やかな笑顔で中年男性を虜にする魅力的な未亡人を好演。クリス・クーパー、ピアース・ブロスナン、パトリシア・クラークソンは、この歳でこそ出せる人間の可笑しさや哀れさが滲み出ていて、演技に味わいがある。この4人を中心にした大人の男女の人間くさい駆け引きが、終始ブラックな笑いを誘い、見応えある作品になっている。ハリーの企てた毒殺計画の展開にも緊張感があり、とても楽しめる心理サスペンスでした。

 劇場は年配の客がほとんどで4割ほどの入り。随所で笑いが起きていましたが、人それぞれツボが違うのだろうなぁと面白かったです。それにしても、理屈では説明し難い夫婦の絆・・・、結婚20年の私にとっても、なかなか考えさせられるものがありました。
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「落下の王国」 [2008劇場公開]

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The Fall 2006印英米
☆☆☆☆
監督:ターセム
出演:リー・ペイス、カティンカ・ウンタルー、ジャスティン・ワデル、ダニエル・カルタジローン、レオ・ビル

 とある病院撮影中の事故で重傷を負った上、恋人にも見放され、人生に絶望しているスタントマン、ロイ。ある日彼のベッドにたまたま訪れたのは、樹から落ち腕を骨折して入院中の少女、アレクサンドリア。ロイは彼女に冒険物語を作って聞かせる。物語にすっかり魅せられ、続きをせがむアレクサンドリア。彼は少女を利用してあることを企てる。

 映画の見所は、ロイの語る物語の舞台となる世界の名所旧跡の数々。実に、ロケ地24ヵ国以上、世界遺産13箇所、という豪華さ。色彩豊かな衣装を纏った物語の登場人物たちが、壮大な風景を背景に不思議な空間を生み出しており、その幻想的な美しさには思わず心を奪われました。

 現実と物語の世界を交錯させながら、ロイと少女アレクサンドリアの心の交流と、人間の再生の過程を丁寧に綴った映画でした。少女アレクサンドリアを演じたカティンカ・ウンタルーのぽっちゃりとした子供らしさ、素人っぽい演技が、作品にいい感じの味わいを与えています。撮影中、彼女はロイを演じるリー・ペイス自身も歩けないのだと信じていたらしいが、その純粋さ、リー・ペイスに対する気遣いが、演技に滲み出ているようでした。また、随所に投影される子供らしい発想が、温かい笑いを誘います。

 物語を創造すること、空想することがもたらす生きる力。人間の無限の可能性に驚嘆せずにはいられません。そして、ロイとアレクサンドリア、それぞれの今後の人生への想像を、観る者に委ねるかのようなラストが素敵だと思いました。
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「アイアンマン」 [2008劇場公開]

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Iron Man 2008米
☆☆☆☆
監督:ジョン・ファヴロー
出演:ロバート・ダウニー・Jr、ジェフ・ブリッジス、テレンス・ハワード、グウィネス・パルトロー、ショーン・トーブ

 マーベル・コミックのヒーロー、”アイアンマン”の実写映画化作品。以下、ちょっと長くなりますが、あらすじです。

 資産家で天才発明家、巨大軍事企業スターク・インダストリーズのCEOで、優雅な毎日を送るプレーボーイのトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。ある日、新型兵器の実験で訪れたアフガニスタンで、テロ集団に拉致される。人工心臓で一命を取り留めたトニーは、テロ集団がスターク社製の兵器を多数使用している現実に愕然とする。
 武器製造を強制され監禁される中、彼は自らが装着する武器、人工心臓アーク・リアクターを原動力とするパワードスーツを開発するのだった。このスーツの完成によって、トニーはテロ集団の基地を脱出、命からがら帰国を果たす。
 直後、トニーは兵器産業からの撤退を発表。自宅に篭り、新たなパワードスーツの開発に没頭する。かくして何度も試行錯誤の後、完成されたパワードスーツを装着し、”アイアンマン”となって、テロ集団の手に渡った兵器を破壊するために、立ち上がるのだった。
 その頃、スターク社の幹部オバディア(ジェフ・ブリッジス)の陰謀が明らかに。オバディアは、同じくパワードスーツ”アイアンモンガー”を開発し、アイアンマン=トニーに立ちはだかる。信頼する秘書ペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロー)、軍人の親友ローディ(テレンス・ハワード)に協力を得ながら、トニーは巨大な敵に立ち向かう。

 
 まず、”アイアンマン”完成までのドラマがとても面白かった。トニーの辿る運命と、人生への開眼。パワードスーツを自身の手によって開発し、失敗を繰り返しながら改良を重ねる過程。これらが丁寧にひとつひとつ描かれていて、わくわくさせられました。

 そして、完成したパワードスーツの格好良いこと。最新兵器を装備したボディ、音速飛行可能なジェットエンジン。人間が生み出した物という設定がリアリティを感じさせ、その造形の美しさは、実写ならではの迫力でした。

 ロバート・ダウニー・Jrは当作品で、完全復帰を確信させてくれました。密かに応援していた者としては感慨深いものがあります。彼の確かな演技力が、トニーの生き方に説得力を与えている。更に、オバディアの狡猾さ、トニーとローディとの協力関係、またトニーとポッツのデリケートな絆など、演技派の俳優陣が集結したからこそ、心にぐっとくるドラマが出来上がったのだと感じました。

 ひとことで言うと、成熟したヒーローもの、という印象です。単なるヒーロー賛歌でも、テロ批判でもなく、闇取引される兵器、その兵器を破壊するために新たな兵器を造る、そしてそれが更なる兵器を生む、という軍需産業の皮肉を描いているところが各国で大ヒットしている所以かなと思います。

 ところで、マーベル・コミック界では、各主役がコラボレートして新たな作品を作り上げているそう。その新たな世界も含めて、続編を匂わすシーンが、エンドロールの後に披露されており、今後の期待が高まります。

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「ウォンテッド」 [2008劇場公開]

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Wanted 2008米
☆☆☆
監督:ティムール・ベクマンベトフ
出演:ジェームズ・マカヴォイ、アンジェリーナ・ジョリー、モーガン・フリーマン、テレンス・スタンプ、トーマス・クレッチマン

 職場では上司に怒鳴られ、恋人は同僚に寝取られ、冴えない毎日を送る青年ウェスリー。ある日立ち寄った店で、突然激しい銃撃戦が始まり、ウェスリーはフォックスという美女に助けられる。彼は、秘密の暗殺組織”フラタニティ”の存在と、そのメンバーだった父が敵に殺されたことを知らされる。また自身も暗殺者としての素質を備える組織の後継者だと知った彼は、父の復讐を誓い、厳しい訓練に耐え暗殺者としての能力を覚醒させていく。

 ”新次元”の名がまさに相応しく、独創的でドラマティックアクションの数々に目を奪われました。そして、そこに仕掛けられた漫画のような演出には思わず笑いが込み上げます。

 突っ込み所満載のストーリーに唖然とさせられながらも、革新的で現実離れしたクールな映像は刺激的で、観て損はなかったと思いました。

 主演のジェームズ・マカヴォイは出ずっぱりで、どうしようもなく情けない男から、鍛え抜かれた強い男に見事に変身。彼のいろんな表情が見られて、ファンとしてはとてもおいしい映画だと言えるかも知れません。一方、アンジェリーナ・ジョリー演じる女スパイも素晴らしい。サディステックな役が本当に似合う人だと感心しきりでした。この二人の雰囲気、キャラの対比が効いていたのではないかと思います。
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「おくりびと」 [2008劇場公開]

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2008日 ☆☆☆☆
監督:滝田洋二郎
出演:本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、吉行和子、笹野高史、 杉本哲太、峰岸徹

 所属するオーケストラが解散。チェロ奏者の夢を諦め、妻と共に故郷の山形に帰った大悟が、旅行代理店だと勘違いして面接を受けた会社は、遺体の納棺を請け負う会社だった。採用を断れないまま、大悟は”納棺師”として働き始めるのだったが。

 死人を扱う仕事に最初は躊躇していた大悟だが、社長佐々木の仕事ぶりを見ていくうちに、”納棺師”という職業への理解を深め、やがてはその仕事に使命感を見出して行く。

 納棺の儀式を、こんなにじっくりと見たのは初めてでした。粛々と、遺体を清め、死化粧、死装束を着せていく大悟。じっと見守る遺族たち。そんなシーンが何度も登場しますが、漂う崇高な空気感に、不思議な心地良さを覚えました。

 そこに在るのは、死者への深い敬愛の心のみ。悔恨、怒り、悲しみといった遺族の様々に入り乱れる感情を、ひとつの愛に昇華してくれるような、納棺師の役割の大きさに、ただただ感銘を受けました。

 「死は普通のこと」という大悟の言葉が印象的です。”納棺師”の姿は、死を正面から見つめることで、生きることの尊さが真にわかるのだと教えてくれているように思いました。「父の人生は何だったのだろう?」と問いかける大悟自身が、父の遺体を前にしてその答えを見出したように。

  時にユーモアを交え、しかし決して大袈裟にならず、あくまで謙虚に人の生と死を見つめているところに好感が持てる作品でした。山崎努、本木雅弘のそれぞれの演技、そして二人の奏でるハーモニーが素晴らしかった。

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「パコと魔法の絵本」 [2008劇場公開]

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2008日 ☆☆☆
監督:中島哲也
原作:後藤ひろひと(舞台『ミッドサマーキャロル』)
出演:役所広司、アヤカ・ウィルソン、妻夫木聡土屋アンナ、阿部サダヲ、加瀬亮、小池栄子、劇団ひとり、山内圭哉、國村隼、上川隆也

 先々週、娘と一緒に観てきました。

 風変わりな患者ばかり集まる病院。交通事故で両親を失ったうえ後遺症で1日しか記憶が持たない少女パコは、毎日同じ絵本『ガマ王子VSザリガニ魔人』を読んでいる。病院一の嫌われ者、傲慢で傍若無人な老人大貫にも無邪気に話しかけるパコ。最初は意地悪にパコを突き放す大貫だったが、彼女の無垢な心に触れ、優しさを取り戻していく。「パコの心に何か残してやりたい!」大貫の提案で、患者と職員全員で、パコのために劇を製作することに・・・。

 特殊メイクにCGを駆使したド派手な映像。極端なキャラクター設定。面白おかしいのですが、めまぐるしい展開に後半はお腹いっぱいという感じでした。あまりに奇をてらった演出に、感動が萎えてしまった部分も・・・。

 「ゲロゲーロ、ゲロゲーロ、・・・」とパコが絵本を繰り返し読むリズミカルな響きは楽しかった。また、劇の製作を通して明らかになる、登場人物たちの苦悩や挫折。人のために何かすることで、彼らもまた自らの心に希望を取り戻して行く様子に心温まりました。

 単純明快なストーリーで、子供と一緒に観るには、とても良く出来た作品という印象でした。
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「幸せの1ページ」 [2008劇場公開]


 Nim's Island 2008米
 ☆☆☆
 監督:マーク・レヴィン、ジェニファー・フラケット
 原作:ウェンディー・オルー『秘密の島のニム』
 出演:アビゲイル・ブレスリン、ジョディ・フォスター、ジェラルド・バトラー

 妻に先立たれた海洋生物学者ジャックとその娘ニムは、豊かな自然に囲まれた南の孤島で、二人幸せに暮らしていた。ところがジャックが船で海洋調査に出掛けたある日、激しい嵐がやって来る。島で一人待つニムは、ジャックと連絡が途絶えて途方に暮れ、彼女の愛読書のヒーロー、アレックスローバーにメールで助けを求めるのだった。
 アレックス・ローバーは、ベストセラー冒険小説のヒーローであり、著者のアレクサンドラ・ローバーは、新作の資料提供を頼むため、ジャックにメールを送ったのだった。ニムは、それを小説中のアレックス本人だと思い込み、彼女とメールのやり取りをしていた。
 ニムからのSOSに動揺するアレクサンドラ。強度の潔癖症で外出恐怖症の彼女だったが、想像上のヒーロー、アレックスに勇気づけられながら、ニムの島を目指して出発する。

 ジャックとニムの親子の絆、ニムが観光客を追い払うために奮闘する姿、トカゲやアシカなどの表情豊かな動物たち。・・・なかなか楽しめました。

 ニムを演じたアビゲイル・ブレスリンがとにかく可愛くて、魅力的です。原題が”Nim's Island”からしても主人公はニムですが、文字通り、アビゲイルちゃんの存在があっての映画という感じでした。

 引きこもりの小説家アレクサンドラを演じるのはジョディ・フォスター。今まで見たことのないような、コミカルなジョディの演技が見られます。そのドタバタぶりがやや鼻についたりしましたが、全体的にはシンプルにまとまっていて、子供向けの映画としては良かったのではないかと思います。

 小説の中のヒーローが出てきて喋るという設定は好きでした。優しく逞しい父親ジャックと、インディ・ジョーンズのような衣装に身を包んだワイルドなアレックス。ジェラルド・バトラーが2役を楽しそうに演じていて、素敵でした。
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「デトロイト・メタル・シティ」 [2008劇場公開]

det.jpg2008日 ☆☆☆
監督:李闘士男
原作:若杉公徳
出演:松山ケンイチ、加藤ローサ、秋山竜次、細田よしひこ、大倉孝二、岡田義徳、鈴木一真、宮崎美子、松雪泰子、ジーン・シモンズ

 ハリウッドリメイクがあるとかないとか。DMC人気凄いですね。8月に観て来ました。

 オシャレなポップミュージシャンになることを夢見る純朴な青年、”根岸くん”。しかし、現実は、悪魔系デスメタルバンド”デトロイト・メタル・シティ(=DMC)”のボーカル、”クラウザーさん”としてカリスマ的人気を得てしまった。その皮肉を、ギャグ満載で描いた作品です。

 ”根岸くん”と、”クラウザーさん”を、複雑に演じ分けた松山ケンイチの演技は見所になっています。夢と現実とのギャップに葛藤する姿には、ついつい共感させられるし、松雪泰子、細田よしひこ、大倉孝二などの、脇を固める極端なキャラクターたちも笑えました。

 ただ、あまりに過激な台詞や歌詞の数々は正直キツかったです。聞くところによると、原作のマンガの方がもっと凄いらしい?ので、実写だと返って生々しく思えてしまうのかも、とも・・・。なにやら、映画で使われた曲がCD発売され、物議を醸しているみたいですが、さもありなんと思います。

 映画のラストは、ほろ苦いところが良かったと思います。”才能を持つ者は、それを生かす使命がある。”という女社長の言葉が印象的でした。
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「この自由な世界で」 [2008劇場公開]

freeworld.jpg
 It's a Free World... 2007 英伊独西
 ☆☆☆☆
 監督:ケン・ローチ
 出演:カーストン・ウェアリング、ジュリエット・エリス、レズワフ・ジュリック、ジョー・シフリート、コリン・コフリン、レイモンド・マーンズ。

 ロンドンで、友人と二人、移民労働者の職業斡旋業を始めたシングルマザーアンジー。両親に預けた一人息子と暮らすためには、もっとお金が必要だ。そこで、彼女はより儲かる不法移民の職業斡旋に手を染めて行く。

 ”息子と一緒に、幸せに暮らしたい”その一心で、主人公アンジーはビジネスの手腕をフルに発揮する。しかし、弱肉強食の競争社会に飲み込まれていく彼女は、次第にモラルを逸脱して行くのである。
 
 アンジーの新規ビジネスを通して浮き彫りになるのは、貧困、職不足、悪劣な労働条件など、過酷な生活を強いられる移民労働者たちの実態である。彼女のビジネスは、彼らを食いものにするものであるが、同時に移民労働者にとっては仕事にありつけるだけで救いになっているのも現実。そこに、問題の複雑さ、難しさがあるように思います。

 アンジー自身も、貧しい労働者階級の女性。失業を繰り返し、ローンを抱え、両親に預けた息子を引き取りたくても経済力が足りない。最後の就職先もあっさりとクビになってしまう。いわば搾取される側だった彼女。それが、自ら立ち上げた事業で、今度は一転、搾取する側に回る。

 そのあたりの主人公の設定、描き方が見事で、演じた女優のパワフルな演技も相まって、終始アンジーの行動から目が離せなくなります。そして、彼女は友人や父親の忠告にも耳を貸さず、突き進む。結果、大きな代償を払うことになるのです。

 自由市場の世界だからと言って、何でも許されることはない。自分さえ良ければ、他に犠牲を強いて良い筈がない。しかし、人間としてあるべからず領域に踏み込んだアンジー自身も、失ったものは計り知れないと思う。逆に、そこまで彼女を追い詰めたのは、自由市場経済の歪んだシステムだとも言える。例えば、私自身も”社会における勝ち組にならなくては”そんな風潮に振り回されている部分がなくもないし。そう考えると、”自由市場”の名の裏で、私たちは案外不自由な状況に追い詰められているのかも知れない。

 ケン・ローチ監督は、自由市場経済の落とし穴を、鋭く突き付けることで、これでいいのか?と警鐘を鳴らしているのでしょうか。格差社会問題が深刻化する日本でも、決してて他人事ではないと思いました。
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